ガスとバーン — ETHの経済学
ネットワークで取引や契約を実行するには『ガス』という手数料をETHで支払います。2021年のEIP-1559以降、その一部が焼却され、利用が多いほどETHの供給が減る効果が生まれました。
イーサリアムにビットコインのような上限はありませんが、新規発行が少なくバーンが重なると『実質デフレ』になることもあります(現在およそ1億2,000万枚)。全体の27%超、約3,300万ETHがステーキングでロックされ流通量はその分減ります。

イーサリアム(ETH)は2015年にヴィタリック・ブテリンらが立ち上げた、上にアプリを載せて実行できるブロックチェーンです。ビットコインが『デジタル通貨』なら、イーサリアムはアプリ(スマートコントラクト)が動く『ワールドコンピュータ』に近い存在です。
この上でDeFi・NFT・ステーブルコイン・ゲームなど多くのサービスが動きます。コインのETHはネットワークを使う『燃料(ガス)』であり資産でもあります。
ネットワークで取引や契約を実行するには『ガス』という手数料をETHで支払います。2021年のEIP-1559以降、その一部が焼却され、利用が多いほどETHの供給が減る効果が生まれました。
イーサリアムにビットコインのような上限はありませんが、新規発行が少なくバーンが重なると『実質デフレ』になることもあります(現在およそ1億2,000万枚)。全体の27%超、約3,300万ETHがステーキングでロックされ流通量はその分減ります。
イーサリアムは2022年の『マージ』でマイニング(PoW)をやめ『プルーフ・オブ・ステーク(PoS)』へ移行しました。32 ETHを預けたバリデータが取引を確定して報酬を得る仕組みで、エネルギー消費を99%以上削減しました。
この移行はブロックチェーン史上最大級の技術イベントとされます。以降イーサリアムは拡張性と環境配慮を同時に狙う方向へ進んでいます。
2025年5月の『Pectra』、12月の『Fusaka』アップグレードが完了しネットワークが大きく改善しました。特にレイヤー2(L2)の手数料は2024年のDencun以降90%以上下がり少額取引も安くなりました。
制度面でも現物イーサリアムETFが定着し、2026年5月時点で関連商品の運用資産は約140億ドル、ステーキング報酬をETFに組み込む動きも続きます。
次の大型アップグレードは2026年半ば予定の『Glamsterdam』で、ブロック処理量の拡大(ガス上限引き上げ)・並列処理・ZK証明検証などL1のスケーリングに焦点を当てます。その後『Hegotá』が予定されています。
Fusakaで導入されたPeerDASによりL2のデータコストが下がり続け、長期的には完全なダンクシャーディングやZKをL1に取り込み『安く速く、かつ安全な』ネットワークを目指します。
最も熱い論争は『L2が育つほどイーサリアム本体(L1)の手数料収入が減り、ETHに価値が十分蓄積されるのか』という点です。加えてSolanaなど高速な競合、頻繁なアップグレードによる複雑さ・実行リスクが重なります。
ステーキングを証券とみなすかなど規制の不確実性も残ります。本記事は情報提供であり、投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
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