ヴィチェーン(VET)とは?
ヴィチェーン(VET)は、サプライチェーン追跡や真贋認証など企業の実務向けに設計されたレイヤー1ブロックチェーンです。
ヴィチェーンは2015年頃にプロジェクトとして始まりました。VeChain Foundationの公式資料によると、独自メインネットのVeChainThorは2018年に稼働しています。ヴィチェーンは物流、サプライチェーン管理、真贋認証など、現実の産業にブロックチェーンを適用することに注力してきました。
ヴィチェーンの特徴は、派手なDeFiやミームよりも実用性を重視している点です。ヴィチェーンは、どの製品が本物か、どの経路で流通したかを改ざんできない形で記録することを主な用途としています。
VETとVTHOの違いは?
ヴィチェーンは2種類のトークンを使うデュアルトークン方式を採用しています。VETは価値の保存とステーキングに使う資産で、VTHO(VeThor)は取引やスマートコントラクトを実行する際に支払う手数料(ガス)です。
ヴィチェーンでは、以前はVETを保有しているだけでVTHOが自動的に生成されていました。VeChain Foundationの告知によると、2025年12月のHayabusa(ハヤブサ)アップグレード以降は、ステーキングしたVETにのみVTHO報酬が支払われる仕組みに変わっています。
ヴィチェーンが2つのトークンを分けているのは、企業が運用コストを予測しやすくするためです。VETの価格が動いても利用手数料が大きく変動しないよう設計されています。
ヴィチェーンは実際にどこで使われている?
ヴィチェーンは企業との協業事例で知られています。公表されている事例には、ウォルマート中国の食品追跡、BMWとの協業、国際認証機関DNVとの提携、高級品や酒類の真贋認証などがあります。
ヴィチェーンを使ったサービスでは、製品に付いたチップやQRコードを読み取ると、原産地から流通経路まで確認できます。実物産業で実際に使われていることが、ヴィチェーンの主な特徴とされています。
VeBetterDAOとX-to-earnとは?
ヴィチェーンは近年、サステナビリティ(環境配慮)の分野へ事業を広げています。ヴィチェーンはVeBetterDAOを通じて、リサイクルや公共交通の利用など環境に配慮した行動に報酬を出すX-to-earnアプリのエコシステムを運営しています。
ヴィチェーンは、企業の炭素排出やESGデータをブロックチェーン上に記録し、検証する用途も広げています。産業用チェーンからサステナビリティ・プラットフォームへ領域を広げる試みです。
ヴィチェーンのロードマップとステーキングは?
ヴィチェーンのロードマップは、VeChain Renaissanceという大規模アップグレード計画として進められてきました。VeChain Foundationによると、その中心となるHayabusaハードフォークは2025年12月に実施され、合意方式は少数の認証ノードによるPoAから、誰でも参加できる委任型プルーフ・オブ・ステーク(DPoS)へ移行しました。
ヴィチェーンはHayabusaと同時に、ステーキングプラットフォームのStarGate(スターゲート)を公開しました。ユーザーはStarGateでVETをステーキングしてバリデーターに委任し、その対価としてVTHO報酬を受け取ります。
ヴィチェーンは2026年に公表したロードマップで、AIエージェント向けの基盤技術を次の方向性として示しています。ヴィチェーンは企業による採用と個人の参加を両方増やし、ネットワークとトークンの実用性を高めることを目指しています。
ヴィチェーンのリスクは?
ヴィチェーンが長年抱えている課題は、企業による採用がトークンの価値に結びつきにくい点です。ヴィチェーンには協業事例が多くありますが、それがVETの需要や価格に直接つながってきたとは言いにくい状況です。
ヴィチェーンはHayabusa以降DPoSに移行しましたが、ステーク量が一部のバリデーターに集中すれば分散性が弱まるおそれがあり、引き続き注視が必要です。ヴィチェーンは他の企業向けブロックチェーンや既存のITソリューションとも競合しています。
ヴィチェーンに関する本記事は情報提供のみを目的としており、投資を勧めるものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。