ビットコインキャッシュ(BCH)とは?
ビットコインキャッシュ(BCH)は、2017年にビットコインからハードフォークで分岐した、安価な決済を目指すプルーフ・オブ・ワーク型の暗号資産です。
ビットコインキャッシュは2017年8月1日にビットコインのブロックチェーンから分かれました。当時のビットコインコミュニティは、ブロックを大きくして決済に使うべきだという派と、ブロックを小さく保ち価値保存に集中すべきだという派に割れ、前者が別のチェーンとして継続させたものがビットコインキャッシュです。
ビットコインキャッシュは、ビットコインのホワイトペーパーが掲げた個人間の電子マネーという構想を、安く速い決済として受け継ぐことを旗印に誕生しました。
ビットコインキャッシュの手数料はなぜ安い?
ビットコインキャッシュとビットコインの最大の違いはブロックサイズです。ビットコインはSegWit後もブロックあたり約1〜4MB程度にとどまる一方、ビットコインキャッシュは2024年5月のアップグレードで導入された適応型ブロックサイズ上限(ABLA)により、最低32MBから利用状況に応じて上限が拡大する仕組みになっています(Bitcoin Cash Nodeのアップグレード仕様による)。
ビットコインキャッシュは1つのブロックにより多くの取引を収められるため、通常の利用状況では手数料が低く、承認待ちも短い傾向があります。そのため『ビットコインはデジタルゴールド、ビットコインキャッシュはデジタル現金』と位置づけられることがあります。
ビットコインとの共通点と違いは?
ビットコインキャッシュはビットコインと起源が同じため、共通点が多くあります。発行上限2,100万枚、約4年ごとの半減期、SHA-256によるプルーフ・オブ・ワーク採掘はビットコインと同じで、ビットコインキャッシュの直近の半減期は2024年4月でした(ブロック報酬が6.25から3.125 BCHに減少、ネットワーク記録による)。
ビットコインキャッシュがビットコインと異なるのは決済の拡張方法です。ビットコインがライトニングネットワークのような別レイヤーで少額決済を解決しようとするのに対し、ビットコインキャッシュはベースレイヤー(L1)で直接安価な決済を処理する道を選びました。
ビットコインキャッシュの陣営は2018年11月に再び分裂し、そこから分かれたチェーンがビットコインSV(BSV)です。
CashTokens(キャッシュトークン)とは?
CashTokensは2023年5月のビットコインキャッシュのネットワークアップグレードで導入された機能で、ビットコインキャッシュのチェーン上で代替可能トークンやNFTを直接発行できるようにするものです。
ビットコインキャッシュはCashTokensの導入以降、ステーブルコインやNFT、分散型取引所などの応用を自前のチェーンで試せるようになりました。安い決済という性格に、プログラム可能な用途を加える取り組みといえます。
ビットコインキャッシュのアップグレードは?
ビットコインキャッシュは毎年5月15日前後に定期ネットワークアップグレードを実施しています。2025年5月のアップグレードでは、スクリプト仮想マシンの実行制限を広げるVM Limitsと、高精度の整数演算を可能にするBigIntが有効化されました(Bitcoin Cash Nodeのアップグレード仕様による)。
ビットコインキャッシュの2026年5月のアップグレードでは、上限付きループ、再利用可能な関数、ビット演算、Pay-to-Script関連の機能が加わったとされています(2026年5月時点の公開資料による)。これらはより複雑なスマートコントラクトをベースレイヤーで扱うための改良です。
ビットコインキャッシュの開発方針は、ベースレイヤーで直接、安く速くという原則を保ちつつ、コントラクトやトークンを使った応用エコシステムを広げることにあります。
ビットコインキャッシュのリスクは?
ビットコインキャッシュの最大の弱点は、知名度の競争で本家ビットコインに大きく後れを取っている点です。名称やブランド、時価総額、開発者や利用者の規模でビットコインが圧倒的であり、少額決済の分野ではステーブルコインやライトニングネットワークとも競合します。
ビットコインキャッシュは同じSHA-256アルゴリズムを使うビットコインよりハッシュパワーがはるかに小さく、採掘の集中や51%攻撃の可能性といったセキュリティ面の懸念が指摘されることもあります。
ビットコインキャッシュに関する本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘ではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。