ヘデラ(HBAR)とは?
ヘデラ(HBAR)は、ブロックチェーンではなくハッシュグラフ合意技術を使う企業向け公開分散型台帳のネイティブ通貨です。
ヘデラはブロックを一列に積むブロックチェーンと異なり、ノード同士がやり取りした情報を網状(DAG)に編んで取引順序を合意する『ハッシュグラフ』方式を採用しています。ヘデラ公式ドキュメントによれば、この方式は非同期ビザンチン障害耐性(aBFT)を目指し、一度確定した取引が覆らない安全性を重視しています。
ヘデラのHBARは取引手数料の支払い、ネットワーク保護のためのステーキング、スマートコントラクトの実行費用などに使われます。ヘデラ公式ドキュメントによるとHBARの最大供給量は500億枚で固定されており、ヘデラのメインネットは2019年9月に一般公開されました。
ヘデラは誰が運営している?
ヘデラは『ガバニング・カウンシル』と呼ばれる企業連合が運営と意思決定を担っています。2026年9月時点のヘデラ公式サイトによると、カウンシルは最大39の会員で構成され、Google・IBM・ボーイング・LG・ドイツテレコムなど多様な業種の大企業や機関が参加しています。
ヘデラのカウンシル会員には任期があり、一社がネットワークを左右できないよう議決権が分散されています。この構造は企業や規制当局から信頼を得やすい利点とされる一方、少数の主体が管理する点から分散性が十分かという批判も受けています。
ヘデラは2024年にネットワークのコードベースをLinux Foundation傘下のLF Decentralized Trustへ寄贈し、ヘデラのノードソフトウェアは現在オープンソースプロジェクト『Hiero』として公開開発されています。
ヘデラの手数料と速度は?
ヘデラは取引手数料を米ドル建てで固定し、予測しやすくしている点が特徴です。2026年9月時点のヘデラ公式手数料表では、基本的なHBAR送金手数料は約0.0001ドルに設定されており、実際のHBAR数量はレートに応じて調整されます。
ヘデラは採掘のないプルーフ・オブ・ステーク(PoS)型ネットワークで、プルーフ・オブ・ワーク方式よりエネルギー消費が少ないことを掲げています。ヘデラ公式ドキュメントでは、取引の確定は通常数秒以内に行われると説明されています。
ヘデラはトークンサービス(HTS)、コンセンサスサービス(HCS)、EVM互換のスマートコントラクトサービスといった標準機能を備え、複雑な開発なしでトークン発行やデータ記録ができるようにしています。2026年1月にはヘデラのメインネットがv0.69へアップグレードされ、EVM互換性と性能が改善されたとヘデラ側は発表しました。
ヘデラは何に使われる?
ヘデラは当初から企業や機関の需要を想定して設計されました。サプライチェーン追跡、デジタル本人認証、決済、カーボンクレジットの記録など、記録の信頼性と規制対応が重視される分野で活用事例が紹介されてきました。
ヘデラは実物資産(RWA)のトークン化やステーブルコイン発行の基盤としても注目されています。ヘデラのエコシステムでは、企業がHTSを使って資産をトークンとして発行・管理する取り組みが続いています。
ヘデラの運営に大企業カウンシルが直接関わる点は、企業顧客にとって信頼材料になるとの評価があります。ただし個別企業の実証実験や提携発表が、そのまま大規模な商用化を意味するわけではないため、事例ごとの進捗確認が必要です。
ヘデラのロードマップは?
ヘデラの長期ロードマップの柱は、カウンシル中心の許可型ノード構造を、誰でもノードを運営できる『パーミッションレス』構造へ段階的に移行することです。2026年9月時点のヘデラ公式資料では、完全なパーミッションレス型の合意ノードはまだ導入されていません。
ヘデラはそのための基盤として、動的アドレス帳(HIP-869)やブロックノード(HIP-1081)などのインフラ改善を2026年のロードマップに組み込み、順次適用しています。これらは独立した運営者がノード運営に参加できる土台づくりと位置づけられています。
ヘデラは分散化の拡大と並行して、実物資産、ステーブルコイン、企業向けソリューションの拡充も進めています。企業級の安定性と分散化の両立が、ヘデラの掲げる目標です。
ヘデラのリスクは?
ヘデラの強みとされる大企業カウンシルによる運営は、同時に最大の批判点でもあります。少数の主体がネットワークを管理する点について分散性への疑問が根強く、パーミッションレス移行の日程が遅れる可能性もあります。
ヘデラのHBAR供給の相当部分は当初から財団や関連主体に割り当てられており、保有の集中や今後の市場流通について懸念が示されてきました。企業採用が実際のHBAR需要にどこまでつながるかも不確実な要素です。
ヘデラに関する本記事は情報提供を目的としたもので、投資の勧誘ではありません。暗号資産は価格変動が大きいため、投資判断はご自身の責任で慎重に行ってください。